ミリオンライブ!

2015年08月20日

せっかくのお盆休み。
ミリオンライブ!のコミックス2巻を買いました。

【ライバル宣言できるほど、静香は未来を信頼している】

読んでみて気になったところがひとつあります。
学園祭終了後、静香が未来に言った言葉。
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「私、未来のことライバルだと思っているから。」
この言葉を聴いて、何を言ってるんだと思う未来。
不思議なことに静香の顔つきは、穏やかです。

本格的な話のまえに。少しだけ対比になること。現実でもありがちな話です。
ライバルとみなした相手がいると、顔つきが険しくなり、対抗心を出します。
たとえばコミックス2巻より。テニスの壁打ちをしながら志保が静香に言うセリフ。
「私たち・・・ライバルなんだから!」
このときの志保の顔つきは、本当に険しいです。

では、なぜライバル宣言をした静香の顔は穏やかなのか。
静香の言動をみて、ふたつのことが頭に浮かびました。

①未来の前では、本音を言えるぐらい心を許している。
②フェアな態度で接してくれた。
今回は未来の言動をメインに考察してみます。

【未来の強みは何だろう】

コミックス1~2巻より。いきなりですが未来の強みを一言で表します。
「こいつと一緒なら、おもしろいことができる。」
と、いう魅力があること。もっと細かく分けます。
①はじめての人と打ち解けるのがうまい。
②自分に正直である。
③楽天的。
④みんなの空気を読むのではなく、「空気を作りあげる。」
この4つはセットになっています。
とくに空気を読むのではなく、「空気を作りあげる」強みは大事です。
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例を3つ話します。ひとつめは、765プロに入ってすぐのとき。
静香やこのみさん、奈緒や翼、高木社長とフランクに会話しています。
歌の先生には怒られたり、ダンスの先生には盆踊りだとユーモア交じりに
酷評されましtた。それでも、先生たちは憎めない奴だと思ったかもしれません。
静香にも、未来の顔を思い出すと腹筋のときに笑ってしまう、と言われました。
奈緒やエレナは未来のダンスを盆踊り扱いしていますが、未来を含めて3人とも
笑う余裕がありました。

これだけ見ると、未来はお気楽だったりドジな奴に思えるかもしれません。
不思議なことに少々の失敗でもユーモラスに見えてしまう。
はっきり言います。未来は裏表がないです。知ったかぶりや、
いいカッコしてぼろを見せることはしない子です。私も失敗をたくさん
しましたが、知ったかぶりをしないこと、いいカッコして後でぼろを出さないことは、
人間関係を良好にするコツかもしれません。

ふたつめ。体調を崩した静香のかわりに翼とGO MY WAY!を歌うとき。
印象に残った翼とプロデューサーのセリフ。

   「せっかく練習したじゃん。」
   「一緒に歌いたいな・・・ダメ?」
   「ステージはキラキラだよ、一緒に楽しもう?」
プロデューサー
   「・・・実際のところ、未来はまだステージに立てるレベルじゃない。」
   「だがあの時・・・まるで背中を押すように風が吹いた気がした。」
ふたりとも、技術や経験を度外視して、期待しています。
「場の空気を作り上げる」未来の強みに気づいた可能性大です。
コメディタッチなまつりやこのみさん。ダンスだけで静香や未来をびっくり
させる翼とは、巻き込む規模や威力が圧倒的に違います。
静香目当ての観客も巻き込み、盛り上げることができました。
サイリウムが輝き、コールが高く響く。完全に場を支配しています。
映りは悪いですが以下の画像でも、すごさが伝わります。


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未来はおもしろいことが大好きで、それを自分だけでなくみんなと分かちあう
ことがもっと好きかもしれません。これも彼女の才能のうち。
「場の空気を作り上げる」強みとの相乗効果はバツグンです。
アイドルとしてステージを盛り上げる手腕はあります。

最後に。学園際のとき。未来はアイドル活動を学校にかくしていません。
それどころか、
自分のお金で静香にステージ出演を依頼します。
ついに学園祭本番。未来のステージが始まり、Thank you!が校内放送で
流れます。静香が来ないのであきらめかけた未来。ところが状況が一転し、
アンコールがありました。このときの未来のセリフで気になった言葉。
未来
   「最後にこのアンコールのマイク。」
   「どうしても受け取って欲しいの・・・」
   「私のいちばんのアイドル・・・静香ちゃんに。」

では、なぜオファーという形をとったのか。未来は静香のステージを
作ると
奈緒やこのみさん、星梨花に言いました。仲直りも大事ですが
静香がステージで輝く姿を見たかった。この思いが強いです。
静香のことをプロとして依頼したことも、信頼している証拠です。

よく考えてみると、静香は未来が初めて直接会話したアイドルです。
赤の他人ではなく、「友達」として静香の初ステージを応援していました。
未来のアイドル活動の原点は静香との出会い。
ステージまで導いてくれた静香への感謝の気持ちがものすごく強いです。

「ステージ、私だって立ちたかった。」

という定期ライブに出れなかった静香の言葉。仲直りは未来が積極的に
動いただけでなく、静香も本音を吐いたことも、大きなきっかけ。未来は
自分に正直だから、
まわりの人も腹を割った話ができる。
未来の気持ちも、相手にものすごく伝わる。
未来のステージが校内放送で流れてから、静香のステージに立ちたいという
本音が少しずつ表に出ます。素直になれない静香を後押しするこのみさん。
体育館のステージで歌う静香は自信がみなぎっています。

結果だけ見ると、
杏奈と星梨花、文化祭スタッフの助けがあったとはいえ、
静香がアイドルとして自信をもって歌えるステージを作り出すことができました。
文化祭のときは定期ライブとは違い、観客だけでなく、プロのアイドルの静香
のかたくなになった心まで動かしました。視点を変えると未来の中にある、
みんなの空気を読むのではなく「空気を作りあげる。」
強みも知らないうちに成長しているかもしれません。

律子曰く、まるで嵐のような子。
うまい表現です。


次は静香のことを書きます。
















2015年03月29日

デレアニの感想は現在まとめ中。まだ時間がかかります。
劇マスみたいに、スルメのごとく何回も見るごとに発見があります。
本当です。

いきなりで申し訳ありませんが、本題に入ります。
久々に歌の考察。ネタはFAKE SELF×TRUE SELF。
過去に書いた文章美希考察その➉美希はね、本当は怖がりさんなの。
の後なので、思わずニヤリ、としてしまいました。
内容も重複したり関係しているところもたくさんあります。
(もしよかったら、この記事も読んでいただくと幸いです。)
この歌ははっきり言って、肝心なときに本音がいえない美希そのものです。

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美希が本音を言えない具体的な描写をざっくりと。
①赤羽根Pにもっとドキドキしたい、ワクワクしたい。アイドルとして
キラキラしたいと打ち明ける前に頑なになっていた。
②シャイニーフェスタのMusic of love。仕事ではなく、ひとりの女性と
してデートをしたかったのにわざわざ遠回りなやり方をしてしまった。
③春香にライバル宣言したかったのに、自分が弱気なときはごまかした。
これも美希考察その➉美希はね、本当は怖がりさんなの。で話した内容。
本音に従わないと前に進めないのに、しらないうちに遠回りをします。
無意識に思ったことが伝わらない、かなわないと感じて弱気になります。
それでも、最後には難産になりながらも本音を表現することができました。

FAKE SELF×TRUE SELFは好きな男性に思いを伝えられずに葛藤する
女性の気持ちを歌にしたもの。美希でいうなら赤羽根P。
1回~2回聴いたときはこう思いました。
あとで何回も聞き直したら、急にひらめいたことがあります。
「この歌はいざ、という時に本音が言えない美希の思考そのものだ。」
歌詞でもそれを連想させるところがいくつもあります。
少し歌詞を変えたら、ヘタすると春香へのライバル心が伝わらないことへの嘆き
を連想させる内容になってもおかしくない。そんな感じがします。
ほかにもある美希が本音を言えないシーンを思い浮かべるのにも応用できそう。

FAKE SELF×TRUE SELFの歌詞より。
「これはまんま美希らしいな。」と思ったところをピックアップ。
①「届きたい 届かない・・・」のところ。
  終盤では「届かない・・・届きたい」になっている。
②「強がりなFAKE」と「臆病なTRUTH」。
③「本当の気持ち全部 伝えたいのに」
④「膨らんでいく想いが 決めてた 答えを壊すの」
⑤「飾らない言葉だけ 伝えたいのに」
⑥「近付けば近付くほどに 測れないココロの距離」がリピート。
ああ、やっぱりなと思ってしまいました。

美希の本音は、強い想いからきています。「これだ。」とおもったら一直線なぐらいに。
キラキラしたアイドルになりたい手段として、竜宮小町に入りたいと思ったとき。
赤羽根Pへの恋心も、春香へのライバル心もそう。
想いは強く、答えがシンプルだからかえって本音をさらけ出すのが怖いのです。
本音を言う、というのは相手とのココロの距離を縮めるということ。
自分の想いが伝わらないときは、心が折れてしまうかもしれません。
それを美希は極端に恐れているのでは、と思うことがあります。
竜宮小町に入りたいと律子に言ったとき、それはできないと言われてやる気を
なくしたぐらいですから。

だからこそ、自分の本音を頑なに守ろうとする。
シャイニーフェスタで恋のLessonABCを続けている最中でもそうです。
春香へのライバル心を言いかけたときも。
ムリヤリ何でもないようにふるまったり、本音と逆の言動をとります。
しまいには怒りを表したり、不満を言う。この態度は美希の強がり。
平常時はよほど注意しないと、まわりは彼女の本音に気が付かないのです。
逆に言えば、怒りや不満を表した時の多くは美希の本音がむき出しです。
この段階になって、まわりの助けが入ります。怖くて言えない本音を話せます。
測れないココロの距離を光に変えるには、徹底的に追い詰められるという
プロセスを美希は通りがちです。これは大変なことです。
これでやっと本音が、「届きたい 届かない・・・」から
「届かない 届きたい・・・
になるのです。

ここからは、私の想像がたくさん入ってたお話です。
いじわるな言い方になりますが、美希が本音を言えないのは律子に竜宮小町に
入れない、と言われたことすら拍車をかけたうちに入らないかもしれません。
それぐらい、美希がよほど追い詰められないと本音を言えないという思考は根深い。
アイドル活動をする前から、ずっとこのことに悩んでいたのではないのでしょうか。

確かに美希は天才肌だと言われています。物事をそつなくこなします。
男子にもモテます。学校の友達にはうらやましがられます。
その反面、相談事をうまく言えないことが経験があることも考えられます。
たとえ悩みを打ち明けても、マイペースな上に物事をそつなくこなすように
見えるから、「美希の場合は大した問題じゃない。」と言い返されて
つらい目にあったこともあるでしょう。このような経験があったから、
本音を言いづらくなった。この可能性はあります。

そして気持ちもむなしくなった。ドキドキワクワクできるものに飢えていた。
そう考えると、部活や勉強に希望をもって打ち込むクラスメートが
うらやましかったのではないか、という想像もできます。

だからこそ、本音を隠さない春香がうらやましかった。
この気持ちも、ライバル心が出てきた原因のひとつになると思います。
春香をわがままだといったのも、自分勝手なわがままというよりはむしろ、
自分の気持ちにいつも正直である、という意味のわがまま。
肝心なときや追い詰められたときに本音が言えない美希にとっては、
到底できないこと。それを春香はたやすくやっている。
その上ライバル心を持たないで自分に接するから、ココロの距離が
わからない。最後はアリーナライブ本番直前にやっとライバル宣言を
できましたが、やはり相当な難産です。

赤羽根Pもそう。春香と同じように本音にしたがって生きている人間です。
自分の気持ちに正直でかつ、誠実だから信頼を得ることができます。
アニメ12話で本当の気持ちを言えたときは、心からうれしかってでしょう。
あくまでも、プロデューサーとアイドルとしての関係としてはそうです。

ですが、恋愛要素を含めて考えたら状況は異なります。
美希は赤羽根Pに果敢にアタックしますが、空回りになるばかり。
それどころか赤羽根Pはあとあと春香に構うことが多くなります。
春香を恋のライバルと考えて嫉妬したり、奪わないで、と言います。

ここからは酷な言い方かもしれませんが、あえて言わせてもらいます。
赤羽根Pと美希の決定的な違い。しつこいようですが赤羽根Pがいつも
自分の気持ちに正直なら、美希は肝心なときや追い詰められたときは
本音が言えないこと。もしかしたら彼女は無意識にこの違いを感じ取っている
のかもしれません。もしかしたら不釣り合いかもしれない、という恐れもあります。
でないと、アプローチをかけるときは美希のほうが不利になる場面が多いことに
説明がつきません。
いくつか例をいいます。
①仕事のときは、公私の区別をつかずにハニーと言います。
 そして律子に怒られます。
②シャイニーフェスタのときもそう。恋のLessonABCはわざわざ自分が
 最後の順番になります。遅刻した赤羽根Pに怒り心頭。あとで自分が
 一番デートをしたかったことに気が付く。
③ゴリ押しになるのはいいけれど、いいところでジャマが入る。(笑)
 (ご褒美のキスが未遂に終わったこと。赤羽根Pが対応に困る。)
まるでひとり相撲になったり、遠回りになる道ばかりです。
なぜ想いが伝わらないのか、よく考える時間があったほうがよさそうです。

今回はFAKE SELF×TRUE SELFから考え付くことはここまで。
美希の本音が言えないクセは、春香へのライバル宣言で克服できたとは
私は思っていません。それは765プロとバックダンサーの絆に守られた
環境だから言えた一面があります。

そう考えると、真の意味で本音が言えない自分から脱皮できたかは、凛が武内Pに
「逃げないで!!」
と怒鳴りつけられたがごとく、もっと厳しい状態で試されることも考えられます。
本音を言うことは、相手だけでなく自分に対しても逃げないこと。
凛と未央、武内Pをつなぎとめたのも、本音の言い合いが大きなカギでした。